今回は、分離型二世帯住宅を紹介します。前回の二世帯住宅もご覧ください。

都内での依頼がメインのDEN設計でも最近では、二世帯住宅のクライアントがご相談に多く来られます。

 

 

預金と収入が安定していて住宅ローンが借りやすい30才~40才代のクライアントにとって、新築を考えるのと同時期に親との同居を検討し始める ことが多くなってきているようです。

以前に比べ土地価格が値下がりしたとはいえ、将来への不安と出費を考え、”親の持つ土地に現在の親の家を建替え、二世帯住宅を新築する”事も選択肢の一つになったのでしょう。

一昔前の昭和ドラマで象徴された「犬猿の中の嫁・姑関係」の悪いイメージは、現在では少なく、共働きの子供夫婦を支える親夫婦が ”お互いに協力しながら子育てをし、暮らしていく” のが一般的になったのも、二世帯住宅が多くなってきている理由だと思われます。

二世帯住宅でも、「完全分離型」や、水周りなどが1セットの食事もお風呂も分けない「共有型」などその家族の数だけケースがあるのだと思います。

その完全分離型の場合でも”少しだけ親世帯の気配を感じたい”とか、共有型でも”親世帯にミニキッチンをつける”又は、”子世帯にシャワーユニット”など、その家族の思いや希望によりまちまちです。

それらを ひとつひとつ整理し、理解する事により、適切な配慮によって「自分達らしい二世帯住宅」へと実現することができます。

建築家ならではの柔軟な発想により計画されえた二世帯住宅は、これから二世帯住宅を考えている方々にとっては、とても参考になるかと思います。

生活する人々それぞれが共通意識を持つことで、生活を快適に送ることが出来るでしょう。

 

それでは、今回紹介するのは、共働きの子世帯三人と親世帯は兄とお母さんの二人で住む完全分離型の二世帯住宅です。建設地は都内の閑静な低層住宅地です。

 

袋小路状の道路に北西2Mのみ接道する敷地です。建物中心にコートヤード(中庭)を配置し、敷地北側に駐車スペースを設け、東側の歩道に接するようにウッドデッキで広がるお庭を配置しました。

お母さんは、習字教室の先生。日中は7,8人の子供達が入れ替わり教室に来る。そのスペースは、寝室と兼ね合うこともできるし、間仕切り扉の開け閉めでダイニングと一体にする こともできるようにしました。子世帯との分離させた玄関への動線は、敷地入り口からあえて壁に角度をつけて誘導する事にしました。

 

 

2階は、完全な子世帯。1階の分離された玄関より中庭によって、”少しだけ近づく親世帯との距離”が、生まれます。また、週末の食事や、緊急の場合などの為に、内部ドア1枚で繋げてあります。

その中庭を望みながら回廊していきます。玄関ホール、階段、廊下、キッチン、リビンング、主寝室、子供室まで、ガラスで囲まれた中庭が明かりや広がりを感じながら誘導してくれます。

LDKは、吹き抜け空間となり、その天井は、主寝室上部のロフトへと繋がります。

 

立面計画は、東側に2M弱の歩道があり、朝方~昼頃までの日差しが見込め、敷地南東にスペースを設ける事によって建物内へ入る日差しの延びが豊かになります。1階は、ウッドデッキを設けたメインヤード、2階にも、バルコニーを設け距離を開けることにしました。

南側は、隣接する近隣住宅の為、1階は日差しが見込めず、中庭からのやさしい明かりを感じてもらう事にしました。

 

 

 

建築家とデザイン住宅を建てる」をテーマに、クライアントの”夢と希望” を”現実”にあてはめ造り上げたひとつひとつのドラマが、自分らしい家を 生み出す感動。そんなントのストーリーをゆっくりとリアルにお伝えできれ ばと思っています。

プロである建築家と、始めての家づくりに取り組むクライアントとの距離が 近くなった瞬間に出来上がる個性的なデザイン住宅

そのデザイン住宅が出来上がるまでに必ず遭遇する諸問題。建築法規や 工事費、近隣問題、心構えなどを、必要な部分をピックアップして説明 していきます。

これから自分らしい個性的な家をお考えの方は、もちろんの事、建築家 を目指す学生や、建築に興味のある方々の勉強の参考になるよう心がけ ていきます。

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