今日の日経新聞によると、地震予知失敗で禁錮6年 伊の学者ら7人実刑判決とある・・・
最近では、クライアントのほうから、耐震上、このプランは大丈夫ですか?耐震等級ってなんですか?と、積極的に質問されることが多くなり、地震に対する建物の安全性を耐震基準を踏まえ、ひとつひとつ説明している。
起きるかどうかわからない地震予知に対して、352億円の国家予算によって国策として行っているが、ロバート・ゲラー東大大学院教授は、地震予知が「予算獲得の道具になっている」と主張している。
国の予算を獲得するために研究の重要性を主張する人たちが出てきて、政治家や官僚はその言い分を利用して「やらないよりもやった方が、国民に説明が付く」では、呆れてしまう国民も多いいだろう。
研究者が責任ある化学的根拠に基づいた説明を大惨事が起きる前に可能性を否定するのではなく、真実をしっかりと国民に公表しなくてはいけない。そのため、官僚主導ではない法律を政治家が作り直さないといけないのだろう。
日本でも、法律立案者の政治家や法の施行者がしっかりと、 責任を取れるしくみが出来ない限り、「国民無視」の真実隠蔽の災害対策は続いてしまう。
今回のイタリア科学者への刑事責任が妥当なのかは、分からないが、もし、その責任を負うとしたら、そのチームを構成した政治家、行政担当なども同様の罪に問われるべきではないのだろうか。
地震予知失敗で禁錮6年 伊の学者ら7人実刑判決 (日経新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG2204V_S2A021C1CR8000/
【ラクイラ=共同】多数の犠牲者が出た2009年のイタリア中部地震で、大地震の兆候がないと判断し被害拡大につながった として、過失致死傷罪に問われた同国防災庁付属委員会メンバーの学者ら7人の判決公判が22日、最大被災地ラクイラの地裁で開かれ、同地裁は全員に求刑の禁錮4年を上回る禁錮6年の実刑判決を言い渡した。
地震予知の失敗で刑事責任が争われる世界的にも異例の事件。同地震では309人が死亡、6万人以上が被災した。
イタリアの刑事裁判では判決理由は後日開示されるため、裁判所の判断の詳細は不明。被告側は控訴する方針を明らかにした。
防災庁幹部だったベルナルド・デベルナルディニス被告(64)は閉廷後、記者団に「私は自分の務めを果たしただけで間違いは犯していない」とあらためて無実を主張した。
大学教授や地震学の専門家らで構成される同委員会は、数カ月にわたり群発地震が続いていた中部の状況について、09年3月31日にラクイラで開いた会議で大地震に結び付く可能性は低いと報告。これが報道され、安心して避難しなかった多くの住民が6日後の4月6日に起きた中部地震で死傷したとして、7人が11年5月に起訴された。
公判で、検察側は「委員会の報告がなければ犠牲者は用心深く行動したはずだ」と主張。弁護側は「地震被害は誰の責任でもない。まるで中世の裁判のようだ」と争っていた。
遺族会のビットリーニ会長は「ラクイラでは大きな過ちが犯された。これからは各自が自分の行動に責任を負うことを学ばなければならない」と、学者らを批判した。